「成人を迎える娘の母として」(成人祝福式) S・Kさん

  「私、ピンクの振袖がいい」と言っていたおしゃれ大好きな長女は、3年前の成人式にメンタルの弱さから振袖を着ることが出来ませんでした。長女に「振袖着なくてもお母さんは全然かまわないけど、将来成人式の写真がなくて大丈夫?」と聞くと、「大丈夫、今の自分なんか残したくないから」と言っていました。成人祝福式の日には私は割り切っていたつもりだったのですが、長女と同学年の成人の方々が晴れ姿で講壇に並んでいるのを見ているとうっすらと涙が浮かんできました。

 今回は次女のMの成人祝福式。今から1年半くらい前、私と同じようにあまりファッションに興味なさそうなMに「成人式どうしたい?」と聞くと「それは振袖着なあかんやろ」と言うので、「なんかおばあちゃんが和裁の練習とか言って5、6年前に振袖作ったみたいやけど、それ着る?それとも好きな着物レンタルする?」と聞くと「それ着たらMたちはお金かからへんし、おばあちゃんは喜ぶし、WIN-WINやから着る」と、Mは振袖の柄も確かめずに私の母の作った振袖を着ると決めてくれました。

 

 成人のこの日を迎え、Mの20年を振り返ると色々なことがありましたが、あっという間の20年でした。そんな中、今週14日、15日は3回目のセンター試験へのチャレンジです。その後3度目の芸大の2次試験です。2年前現役で不合格の時は、淡々とした表情で「M、大丈夫やから気遣わんでいいよ」と言って、さらに1年コツコツと学科の勉強、絵の勉強に励んでいました。昨年不合格だった時にはさすがに暗い顔をしてうつむいていましたが、すぐに気を取り直して2週間後の第二志望の大学の受験に備えて画塾に通っていました。この大学の受験の時には私も気合いを入れて、Mが試験を受けている間はホテルやスタバで断食(コーヒーは飲みました)して、聖書を1章読んではMの合格を祈ることを、2日間のMの試験中ずっと続けました。牧場でも、とりなしの祈りでも祈ってもらっているし、この大学から歩いて15分くらいのところには同盟教団の教会もあるし、Mはここに導かれているに違いないと私は勝手に確信していました。

 ところが結果は不合格。Mもさすがに落ち込んで涙を流していました。でも次の日には「滑り止めの私立大学に行く」と言って準備をはじめていました。その後「あと1日考える」と言って画塾に行き、帰ってきたら「やっぱりもう1年頑張ってみる」とすっきりとした顔で言っていました。私はというとMが不合格になって以来、神様に「いったいどういうことなんですか。こんなに地道にコツコツと頑張ってきた子を落として何が面白いんですか」「あんなに祈ってもらったし、私も祈ったじゃないですか」とぼやき続け、神様を信頼するってどういうことなのか、祈るって何なのかわからなくなってしまいました。そしてMにも「M、神様に腹立たへんの?」と聞いてしまいました。するとMは「ぜんぜん」とさらっと答えていました。

 

 去年1年間低迷状態の信仰生活を送っていた私に対して、Mはこの1年もコツコツと学科の勉強と絵の勉強を続けています。だから今年こそMの努力が報われてほしいなあと思っています。

 昨年ヤングJの各牧場への編入により、MはN牧場に行かせていただきました。牧者夫妻をはじめ牧場の方々にはあたたかくもてなしていただき、Mの進路のためにも力強く祈っていただいています。また野口先生、幸子先生、忍先生、ヤングJの方々をはじめ多くの教会の方々も祈り励まして下さっています。本当にありがとうございます。

 そして今日の日のためにNさんが着付けをしてくれ、この場にはいませんが長女がヘアメイクをしてくれました。このように、どんなときにもひとりぼっちではなく、たくさんの方々が見守って支えてくれていることをいつも覚えて感謝し、その素直な信仰を持ち続けて、これからも夢に向かってチャレンジしていってほしいと思っています。今年合格してもしなくても、私たち家族はMの地道な努力とチャレンジを誇りに思っています。