2023年5月21日(主日)


メッセージ:遣わされるのでなければ

講師:金子道仁

【金子先生プロフィール】

1992年 東京大学法学部卒業

1992年~1998年 外務省勤務

1998年~ グッド・サマリタン・チャーチ(2003年牧師就任)

2000年~ 光の子どもクリスチャンスクール副校長

2010年~ 社会福祉法人グッド・サマリタン理事長(高齢者福祉・障がい者支援)

2022年~ 参議院議員

・横浜市出身・兵庫県猪名川町在住

・家族は妻と4男4女

 

【礼拝メッセージ要約】

「遣わされるのでなければ」(ローマ10:10~15)

 

【信仰を持ち,牧師になるまで】

大学2年生の時に信仰を持ち,クリスチャンになりました。神様はその後私の人生を作り変えてくださいました。外交官試験に合格し,大学卒業後は外務省で働きました。その頃から将来は牧師になりたいと考えていましたが,外交官としての人生を全うした後で牧師としての人生を歩みたいと思っていました。外交官試験に合格したことで女性にもてるようになりましたが,当時交際していた女性(現在の妻)は「外交官の奥さんにはなりたくない,牧師の奥さんになりたい」と言いました。それを聞いて,この人こそ真の信仰者であり,手放したくないと感じました。その後,6年半で外交官をやめ,猪名川町の教会で牧師をしながら,フリースクールや社会福祉法人の働きもしています。

 

【参議院議員に】

楽しく幸せな牧会生活を送っていますが,周囲を見渡すとコロナ禍や町の過疎化など,多くの問題が存在していました。この時,神様から「廃墟を建て直しなさい」(イザヤ58:12)というチャレンジのことばが与えられました。このことばは,教会が地域を変えるような影響力を及ぼし,廃墟を再建する存在となり,「この街に教会があってよかった!」と言われるようなビジョンを与えてくれました。教会が教育や福祉の分野で活動をするうえで多くの障壁にぶつかりました。だからこそ教会と行政をスムーズにつなぎ,教会にある愛を伝え,地域に仕える働きをしたいと思いました。そして,神様のみこころで扉が開かれ,2022年7月の参議院議員選挙に当選することができました。

 

【牧師として,国政の場へ】

国会議員になれたことは神様が見せてくれた「はじまりの奇跡」で,私自身が遣わされた意味を深く受け取りたいと思っています。当選直後に旧統一教会の問題が発生しました。国政にいるキリスト教の牧師として,この問題に関わりたいと思い,それに対処するチームに参加しました。そこでは,マスコミや他の議員に福音を語る機会が多く与えられました。宗教法人がどのように社会の役に立つのか,という厳しい質問もありました。歴史を振り返ると,キリスト教は日本で福祉・教育の分野で貢献してきました。しかし,現味の教会の状況はどうでしょうか。私は,教会の中に存在する愛を隠れたままにしないで,地域社会にとってなくてはならない存在となるべきだと強く思います。

 

【遣わされた場で福音を伝える】

国会議員としてさまざまなビジョンを抱いていましたが,その中で最初に実現したのが「福音を伝えること」でした。カルトとキリスト教の違いを学習する場で,福音を語ることができました。神様は派遣された場所で福音を伝えるように整えられているのだから,「いつでも伝える準備を」しておくことが必要だと教えられました。同時に,ご聖霊様が語るべきことを教えてくださることを信じて,日々の活動をしています。

聖書には「福音を伝えるのは足」とも書かれています。(マルコ16:15,エペソ6:15)神様が私たちに行ってほしい場所があります。私は今回の経験を通じて,それに従うと,福音を語る扉が開かれることを学びました。神様は「全世界に出ていき,福音を伝えなさい」と言われましたが,私たちひとりひとりに,神様が遣わしてくださり,福音を伝える場所があります。

 

 

【地の塩・世の光】(マタイ5:13~15)

 「あなたがたは地の塩です。もし塩が塩けをなくしたら,何によって塩けをつけるのでしょう」と書かれています。塩つぼ(教会)に残っていれば,塩けはなくなりません。それでは「ものを腐らないようにする」という塩の役目が果たせません。同様に,私たちが外に出て,社会との関わりの中で,周囲に塩けをはなつ(清さを表す)ことを神様は求められています。

「福音とは何か」と質問された時,私は「あなたは神様に愛されている」「あなたは神様につくられた存在である」の2つを伝えます。これを聞いた多くの人が驚きますが,私は「この人は一度も福音を聞いたことがない人だ。だからこそ私が神様によって派遣され,ここで語る使命を帯びている」と感じています。

また,「あなたがたは世界の光です」と書かれています。私たちが隠れることなく遣わされた場所で明確になると,これまで光(福音)が届かなかった場所にも光を届けることができます。私たちの持っている喜びや希望の光によって周囲の人が近づいてくるのです。しかし,私たちが光を放たなければ,悩みを抱える人々が偽りの希望に引き寄せられてしまいます。 私たちは立派な言葉を語る必要はありません。必要な人に出会った時,心の中にある希望を伝える準備をしておきましょう。