最年長現役映画監督の山田火砂子さん

  2004年,現代プロダクションが製作した「石井のお父さんありがとう」のメガホンは,当時72歳の山田火砂子(やまだひさこ)監督がとりました。

 

 明治時代に岡山県に日本初の孤児院を建設し,3000人もの孤児を救った石井十次(1865~1914)の生涯を描いたものです。十次は,医学生として実習で訪れた村で,貧しい母親に男児を託されたことから孤児院を設立。東北地方を襲った冷害の被害児1200人のために寄付集めに走り回り,一人の餓死者も出さずに育て上げたクリスチャンです。

 

 石井十次役には,人気俳優の松平健が起用されましたが,製作費に多くを費やせない独立プロとしては異例の配役でした。

 

 その後,山田監督は平和や命の大切さをテーマにした作品を次々と送りだしました。その一つが「大地の歌・留岡幸助物語」(日本の社会福祉の先駆者で,凶悪犯の大半は,少年期に非行の経歴があることを知り,非行少年のために感化院を作ったクリスチャン)です。どの作品でも主演男・女優にテレビや映画で名の知れた俳優が起用されています。山田作品なら,低いギャラでもという俳優さんが多いと言います。

 

 今年87歳になった山田監督が取り組んだ新作は「一粒の麦・荻野吟子(おぎのぎんこ)の生涯」。日本初の女医としてイエス様に導かれた生涯を描いています。今回も主演の若村麻由美をはじめ,山本耕史,賀来千香子,佐野史郎,柄本明などの俳優が,山本監督の映画にかける情熱に打たれ,はせ参じました。

 

 現役の映画監督としては,最年長の山田さん。お子さんの障がいを通して,イエス様と出会った経験が,どの作品にも生きていると評されています。

 

 最新作もイエス様を証するツールとして大いに用いられますよう。