ちょっと残念 サザエさん

 4コマ漫画の代名詞ともなった「サザエさん」の作者,長谷川町子(はせがわまちこ)さん。 

 

 長谷川さんは1920年佐賀県に生まれ,1934年一家で上京,漫画家を志し「のらくろ」の田河水泡の弟子となった。 

 1946年から「夕刊フクニチ」で「サザエさん」の連載を開始,1949年から朝日新聞に舞台を移し25年間,6000回を超える長期連載となった。長女のサザエさんを中心に三世代が同居する「磯野家」の家庭生活をユーモアと風刺で描いた。 

 一家は,日本の家庭像を象徴する国民的キャラクターと言われた。 

 

 さて,町子さんは内村鑑三を祖とする無教会派のクリスチャンであった。長谷川さんは,自らの信仰歴については「サザエさんの打ち明け話」に触れる程度だが,熱心な信徒だった母の信仰を受け継ぎ,無教会派のリーダーであり,元東大総長でもあった故矢内原忠雄の講義に出席した。また,1991年まで北森嘉蔵東京神学大学名誉教授の「聖書を深く読む集い」にも参加していた。

 町子さんはイエス・キリストによる罪からの救いをはっきりと信じていたであろうから,天国で彼女と再会できるだろう。ただ残念でならないのは,彼女の信仰の証が伝わってこないことである。無教会のせいなのか? もし彼女が長年住んでいた家のそばにある,私達と同じ群れの世田谷中央教会に集っていたらと思う。もしそうでなくても,教会において証がなされたら,どんなに多くの人に主の影響力を与えたことだろうか。キリストのからだなる教会に集う恵みと大切さを考えさせられたことである。