きょうだい関係人間学Ⅱ

 8月16~18日にかけて蒜山バイブルキャンプで行われた中高生キャンプ、その恵みの一端としてキャンプで語られた「きょうだい関係人間学」を先月号で紹介しました。主なる神様が与えて下さったきょうだい順が、互いにどのように人格形成に影響しているのかを知り、自分と同じように隣人を愛するための一助となればという思いからです。

 

 これを9月のハンナ会でも紹介しました。するとお母さんたちは、あるある話で会場が、大盛り上がりしました。

 

 きょうだい関係人間学の一般論の続きです。

 

 「末子」の特徴

 まず、「末子」は、お調子者と言われます。幼い頃から、家族から「構ってもらったり、いじられたり」するのを当然のこととして育ちました。長子は、親や周囲の大人の関心を得るため「いい子」でいることを目指します。しかし、末子は周りの注目を集めるためサービス精神を発揮します。

  ウケを狙って冗談を言ってみたり、おちゃらけた態度を取ってみたり。こうして歓心を買う術を幼い時から身に着けていきます。また、きょうだいの中で、小さい自分が埋もれてしまわないように、自分をアピールする方法も獲得していきます。

  周りの人が話している時、「うんうん。そうだね。分かる分かる」と適当に相槌を打っておき、「ところで私はね…」などとさりげなく自分に話を持っていく。あるいは人を誉め、気持ちよくさせておいて「じつは僕はね…」などと半ば強引に話の主役を自分に持っていく人がいれば、その人は「末子」であることが多いと言われます。

  生まれた時から面倒を見てくれるきょうだいがいるため、兄や姉と比べて大人とのやり取りが少ない傾向があります。そのため、社会的な枠組みや評価にこだわらない自由な考え方、行動を取るようになります。

 

 「一人っ子」の特徴

勉強でも、スポーツでも、習い事でも、一人っ子は、経済的に十分なケアを受けられる環境にあります。このため、一人っ子は「これは面白い」「これは得意だ」と、自分のツボにはまるものと出会う確率が高くなります。芸大の学生の4割が一人っ子というのもなるほどです。

  また、きょうだい間の競争や比較がないため、身近な子どもに負けるという経験がないため、妙な自信を持っているというのです。この自信は、子どもにとって有益で、親から十分なサポートを受けることが出来るため、「これは人に負けない」という得意なものを持っていることがあります。実際一人っ子は、学校の成績や芸術系の能力が高い傾向があると言われています。

  きょうだいがいないということで、子ども同士で喧嘩をした経験が少ないため、喧嘩のやり方も、仲直りの仕方も良く分かりません。ですから、人と無駄に争うことや誰かを傷つけることを避けようと、神経をとがらせています。

  家族は、自分以外は全員大人ということで、会話の口調や内容が大人びてきます。この場合、両親が共稼ぎで、祖父母が面倒を見ている場合、会話が祖父母のそれとなります。

  競争することも協力することも少ないため、人の痛みや悲しみに遭遇する経験は、圧倒的に不足しています。このため、共感性は低いということになりますが、大人の顔色や反応から、「自分に何が求められているのか」を的確にキャッチし、それに応じた考えや行動を取る能力には長けています。

  もう一つ加えるなら、一人っ子は自分に時と場所を構わずちょっかいを出すきょうだいがいないため、空想にふける傾向があります。このため、自分独自の世界観を持っている人が多いものです。