悩み事は誰かに話すと心が軽くなる

 このことは誰でも知っているでしょうが、心理学的にも裏付けられています。

約50名の大学生の被験者を集め、「知性に関するテストの信頼性を調べる」と言って知能テストを受けさせました。そして、実際の得点に関係なく、全員同じ点数をつけ、それを告げました。その後、個別面談を行う際、二つのグループに分けました。面談で、一方には他の人にテストの点数を話してもよいとし、もう一方には黙っているように指示しました。

 

 面談後、テストの点数に関する自分の満足度と公開の感想を聞いてみると、おもしろい結果が得られました。

 

 点数を話してもよいとしたグループは、テストの点数に満足しており、自分の点数も平均以上だとプラスに考えていました。一方、黙っているように言われたグループは、自分の点数は平均以下であり、だから話さないように指示されたと、マイナスに考えていたのです。

 

つまり、同じ点数にも関わらず、自分のことを打ち明けた人と、そうでない人とでは、その評価と気持ちが大きく変わるのです。

 

 悩みごともこれに似ています。人に言えないような悩みも、話してしまうと、自分なりに整理がつく場合が結構あるものです。それに、表に吐き出すことにより、客観的に物ごとを見ることが出来、プラスの見方も与えられる時があるのです。