人生に奇跡を起こす教え

 以前メッセージで紹介した「人生に奇跡を起こすたった一つの教え」について再考します。

この本の著者M・J・ライアンは、たった一つのことに気付く前は「私は筋金入りの悲観論者で、物事の悪い面ばかり見ていた。人生はつらくて厳しいもので、いつ災難が降りかかってくるか分からないと思い込んでいた。物事が順調に進んでいる時でも、いずれはダメになるだろうと心配ばかりしていた」と言っていました。

 

 著者が気付いた「たった一つの教え」とは、感謝です。感謝がもたらすもの、感謝することの効果、態度を身に着けていくために必要な考え方、物の見方、そして実践していくうえで役に立つアドバイスが記されています。

 中でも「感謝の懐中電灯」では、感謝することが私たちの見方を変えてくれることを説明しています。「感謝の心は、すでにそこにあるものを照らし出してくれる。何かをもっとたくさん手に入れる必要もないし、違うものを手に入れる必要もない。光に照らされると、それまで見えなかったものが見えてくる」。

「感謝の懐中電灯の素晴らしい点は、夜でも、昼でも使えるということ。しかも、どんな場所でも、どんな状況でも使うことが出来る。若い人も、お年寄りも、健康な人も、病気の人も、どんな人でも使うことが出来る。感謝の懐中電灯のスイッチを入れさえすれば、人生の奇跡が見えてくる」。

 

 説明で教えられることは、人生の真っ暗闇と思えるような時でも、感謝の懐中電灯は使えるということです。また、人生の昼間、私たちが順風と思える時、すなわち感謝を忘れがちな時も、感謝の懐中電灯が必要であることです。「苦しい時の神頼み」という言葉があるように、私たちは試練や逆境の時、主により頼みます。しかし、順境の時は、主の恵みを忘れてしまい、あたかも自分の力で生きているような錯覚に陥りやすいものです。だからこそ、昼間にも懐中電灯がいるのです。

 

 これもメッセージの例話でご紹介したことですが、糖尿病の治療には、厳しい食事制限があります。治療に取り組む患者の30%が完治し、30%が入退院を繰り返し、30%が悪化するそうです。

入退院を繰り返す一進一退の人は、「家族のために頑張ろう。あるいは、自分のために頑張ろう」という人だそうです。それに対し、完治する人たちは、制限された食事を美味しいと思って、感謝と喜びをもって食べることが出来る人たちだというのです。